財政出動と日本の未来!公共投資はなぜ削減され続けているのか?

皆さんこんにちわ!まっきーです。

前回は、そら美ちゃんと一緒に「デフレマインド」や、財政出動に関連して「消費税」の中身について学びました。

前回ご説明したとおり、日本では長くデフレ不況が続いているにも関わらず、政府はPB黒字化目標にこだわり続け、これまで何ら訂正をする事もなくデフレ下において緊縮財政を実施し続けています

断言しますが、このままでは絶対に日本経済は良くなりません。

そして、日本で実施すべき財政政策とは、国民の所得を奪う「緊縮財政」ではなく「財政出動」である事が理解出来てきたのではないでしょうか?

財政出動について、もう少し理解を深めてもらいたいので、今回も財政出動について説明を続けていきますね!

今回のテーマは、以下の通りです。

◆今回の主なテーマ
・減らされ続けて来た我が国の公共投資の実態とは?
財政出動を実施すると、日本経済はどう変わっていくの?
・財政出動を政府が実施するには、我々はどうすればいいの?

まっきー

そら美ちゃん!今回も、経済について勉強しよう!

そら美ちゃん

は~い!わたし、経済について随分賢くなったと思うんだよね!

まっきー

自信を持つ事はいいことだね!でも、マクロ経済は幅広いから、覚える事はまだまだたくさんあるよ!

そら美ちゃん

うん!どんどん勉強して賢くなりたい!

まっきー

オッケー!では、前回の続きで今回も財政出動について話して行こうと思う。

そら美ちゃん

おっけーざいせいしゅつどー!

まっきー

今日はテンション高いね・・・では、始めよう!

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目次

減らされ続けて来た我が国の「公共投資」の実態

まっきー

前回、財政出動とは政府がお金を支出して需要不足を解消する政策であることを勉強したね。

そら美ちゃん

うん!有効なのは消費行動が伴うエコカー減税や、消費税の減税などがあったよね。

まっきー

まあ、消費税の減税はこれまで一度も実施されていないけどね。その他にも、とても重要となる財政出動の政策があるんだ。

そら美ちゃん

あら、他にもあるの?

まっきー

うん。それが「公共投資」だよ。難しい言い方をすると「公的固定資本形成」とも言うよ。

そら美ちゃん

公的固定資本形成ってのは馴染みがないなぁ。

まっきー

まあ公共投資の方が分かり易いよね。公共投資とは「道路」「橋」「ダム」などインフラに充てる建設費用のこと。

そら美ちゃん

ほー。確かに道路や橋が整備されてないと、物流なんかも止まっちゃうもんね。

まっきー

あとは「ダム」や「防潮堤」「建物の耐震・免振化」など、災害に備えるための設備投資なども含まれるね。

そら美ちゃん

なるほど~。日本は地震や水害が多いから、それってすごく大事だよね!

まっきー

ところが、実はこういった公共投資の予算も我が国では削られていて、1997年に比べると半分近くまで予算が減っているんだ。

そら美ちゃん

えぇ?そうなの?

まっきー

このグラフ少し古いけど、1997年を「100」とした場合の公共投資の推移だよ。2013年時点で日本は「59.6」まで減っている。他国はおおむね増やし続けているだけに、余計に目立つね。

引用元:https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h27/hakusho/h28/image/n10102360.gif
そら美ちゃん

前に見たGDPの推移と同じで日本だけが低いね。他の国は増やしてるのに、何でこんなに減らされてるの?

まっきー

根底にあるのはPB黒字化目標。つまり、できるだけ政府の支出を抑えたい、という政府の思いが背景にあると思う。

そら美ちゃん

出たな!PB黒字化目標さん。この人、本当に嫌い。

まっきー

公共投資は災害への備えが含まれるし、トンネルや高速道路等の整備を怠れば大事故につながる可能性もある。国民の命を救うための非常に重要な投資と言えるね。

そら美ちゃん

なのに、削られてるの?

まっきー

うん、見ての通り約半分まで削られているね。

そら美ちゃん

それってヒドくない?命に関わることなのに!そこ絶対ケチる部分じゃないと思うよ!

まっきー

そら美ちゃんの言う通りだね。公共投資の費用を削るという行為は、国家としての成長や、国民の安全を守る義務を放棄しているに等しい行為だと思う。

そら美ちゃん

なんでそうなるの・・・日本はどうしてしまったの?

まっきー

何度も言うけど、諸悪の根源は「政府の支出を抑えたい」というPB黒字化目標だと思うよ。だけど原因はそれだけじゃない。

そら美ちゃん

PB黒字化目標さん以外にも犯人がいるの?

うん。それはマスコミや我々国民だね。

そら美ちゃん

え、どうして?

まっきー

だって、マスコミが盛んに「公共投資はムダ!」って煽り立て、我々国民はそれを受け入れてしまったからね。

そら美ちゃん

私は受け入れたつもりはまったく無いけど、それが世論になっちゃったってこと?

そう。いつの間にか我々は「公共投資=ムダ」と思い込むようになった。だから、公然とここまで削られたのだと思う。

そら美ちゃん

ひど~い!命に関わる大切なことなのに!

まっきー

公共投資をしっかり実施していれば救われた命は、たくさんあったと思う。それほど公共投資というのは大事なんだ。

そら美ちゃん

それを削ってきたのね日本は。良くわかった。

公共事業に必要な「建国国債」の発行

まっきー

そら美ちゃん、ちょっと陰鬱な気分になってしまったかな?

そら美ちゃん

だって、こんな大事なこと、私知らなかったんだもん。なんか悔しいよ・・・。

まっきー

でも、ここで知ることが出来た。前にも言ったけど、まずは現実を知ることと、その上で自分の頭で考えることが大事だよ。

そら美ちゃん

うん、自分の頭で考える!そして、公共投資はムダじゃない!むしろ絶対に必要な投資だと思う。

まっきー

その通りだね。公共投資は削るべき費用じゃない。国家の成長には不可欠だから、むしろ積極的に投資すべきだと思う。

そら美ちゃん

でもさ、日本は借金まみれでお金がないんでしょ?GDPも増えてないし。そんな中で公共投資なんて出来るの?

まっきー

良い質問だね。公共投資も財政出動政策の一つ。政府が資金を調達し、民間の会社に仕事を委託する、という流れになる。

そら美ちゃん

そのためにはお金が必要だよね?どうやって調達するの?

まっきー

もちろん政府が調達するよ。こういった公共投資をする場合、政府は国会の議決を経て「建国国債」を発行する。

そら美ちゃん

「けんこくこくさい」ね。こくさいってよく聞くけど、意味は全然わかんない。

まっきー

「国債」は理解しにくいかもね。国が発行する「債権」の一種。財務省のページでは、このように定義されている。

建設国債とは、建設国債財政法第4条第1項ただし書に基づき、公共事業、出資金及び貸付金の財源を調達するために発行されます。
引用元:財務省のホームページより

そら美ちゃん

つまり、お金を発行するってことと同じ?

まっきー

厳密には異なるけど、基本は同じ。そして建国国債を発行すると、それは国の借金(政府の負債)として計上される。

そら美ちゃん

あ!国の借金が増えるから、政府はやりたくないってことか!

まっきー

いかにもPB黒字化目標さんが嫌がりそうでしょ?

そら美ちゃん

「これ以上借金を増やしたくない病」を患っているからね。

まっきー

困った病気だね。でも、公共投資は必要不可欠なうえに民間にお金が流れるからデフレ対策にもなる

そら美ちゃん

でも、それを受注した建設会社が儲かるだけなんじゃないの?

まっきー

直接的にはね。でも建設会社が儲かるとなると、どんな事が起こるか考えてごらん。

そら美ちゃん

まずは仕事に必要な設備や人員を確保するわよね。必要なら外注や下請け会社に発注したりとか?

まっきー

だね。で、それら関連した会社はそれぞれ儲かるし、それら会社に関わる人員や社員には給与が支払われる。

そら美ちゃん

そっか。そして、その人達が働くことで、建設現場の周辺でごはんを食べたりするから、周辺の飲食店も利益が上がったり?

まっきー

まあ、あくまで推測だけど、基本的には良い影響をもたらすだろうね。経済は繋がっているから、マクロ視点で考えてみるとそうなるよね。

そら美ちゃん

なるほどね!そして需要が増えるから、結果的にGPDも増えるってことね。それなら、むしろ国の借金は減るよね。

まっきー

だね。国民の命を救う投資であり、デフレ対策にもなる。経済成長にも繋がるから、実施しない理由が見当たらない。

そら美ちゃん

でも、それを削り続けて来たんでしょ・・・日本は。

まっきー

うん。公共投資を怠り、国民の命を危険に晒し続け、デフレを悪化させ続けている。改めて認識すると、自然と怒りがこみ上げるね。

そら美ちゃん

公共投資は今すぐにでもやるべきね!

財政出動を政府が実施するために必要なこと

まっきー

公共投資がどれだけ必要なことか、理解できた?

そら美ちゃん

うん!理解したよ。でも、国債のあたりがまだ良く分かってないかも。

まっきー

国債発行のこと?確かに、そのあたりのプロセスは分かりにくいかもね。

そら美ちゃん

うん、全然分からないかも。

まっきー

正直言うと、僕もその辺りはまだ勉強中なんだ。今わかっている事は、国債は「国会の議決」が必要だという事。

そら美ちゃん

その手続きをすれば、国債は発行できる?

まっきー

そうなるね。ただ、PB黒字化目標くんを担ぎ上げている財務省が、そのあたりの決定に絡んでいるだろうね。

そら美ちゃん

財務省がOKと言わなければ、国債は発行できないの?

まっきー

いや、法律にはそう書かれていない。でも、事実上はそうなっているのかも知れない。

そら美ちゃん

ふーん。でも現状では結局は実行されないんでしょ?

まっきー

国会で予算が組まれ、国会で議決される。それに従い国債が発行されると思うのだけど、その予算の段階で金額が決まってるんだろうね。

そら美ちゃん

そこって国民は関与できないよね?私たちはどうすればいいの?

まっきー

まずは僕ら自身が関心を持つこと。そして国会に1人でも多く、マクロ経済を理解している国会議員を送り出すことだね。

そら美ちゃん

つまり経済に関心を持ちつつ、選挙に行けってこと?

まっきー

選挙で投票するのは国民の義務だと思うよ。日本は投票率が低いからね。それだけ、関心がないとも言える。

そら美ちゃん

ゴメン・・・私も投票行ってない。

まっきー

日本の投票率は50%前半くらいで、世界的に見ても少し低い方に入るね。昨年のデータでは194カ国中で134位。

そら美ちゃん

そっかー。人のこと言えないけど、あまり関心がなかったし、どうせ誰に投票しても変わらないでしょ、って思ってた。

まっきー

普段、政治や経済に興味がなければ、誰に投票していいかも判断できない。そうなると面倒だし投票に行かなくなるだろうね。

そら美ちゃん

・・・うん。その通りです。

まっきー

大丈夫!僕も20代は一度も投票になんか行ったことないから。投票に行き始めたのは30代半ばになってからだよ。

そら美ちゃん

どうして、30代半ばになってから投票に行き始めたの?

まっきー

経済に興味を持ち始めたのが、その頃だったからね。経済の勉強をすると、政治も重要だと分かって来たんだ。

そら美ちゃん

そっかー。やっぱり政治って大事なのね。

まっきー

国債の発行をするには、国会での議決が必要でしょ?そうなると、正しい国家観や経済観をもった国会議員を、1人でも多くする必要があるからね。

そら美ちゃん

それを見定めるのも大変そうだけど、それをやらなければダメって事ね。

まっきー

まあ、そうなれば一番だけど、まずは経済に関心を持つことから始めればいいと思うよ。

そら美ちゃん

うん、そうだね!

まっきー

長くなってきたけど、最後にひとつ。ずっと「経済」って言ってるけど、この言葉の意味を知ってる?

そら美ちゃん

ん?「経済」の意味?知らないなぁ。

まっきー

「経済」は略語で、元々は「経世済民」というのが語源。その1文字目と3文字目をとって「経済」と言っている。

そら美ちゃん

けいせいさいみん?初めて聞いたよ。

まっきー

言葉の意味は「世を治め、民の苦しみを救うこと」だよ。

そら美ちゃん

そんな意味があるんだ。てっきりお金のことだと思ってた。

まっきー

お金も含まれるけど、どちらかと言えば政治のことだね。「政治の力で民を救う」という意味だから。

そら美ちゃん

でも、今の日本がやってること、真逆に感じるけどな。

まっきー

そうだね。経世済民という観点から見れば、PB黒字化目標は「民を救うこと」とは程遠く、むしろ苦しめている。

そら美ちゃん

なんでそうなるんだろ・・・

まっきー

理由は分からない。でも、完全に「経世済民」を実行していないね、ここ数十年来の日本の政治は。

そら美ちゃん

それも、私みたいに政治に関心を持たなかったことも、きっと要因だよね。

まっきー

そうだね。少なくとも、今の政治や経済に関心を持つ国民が増えなければ、しばらく変わらないだろうね。

そら美ちゃん

そうだよね。

まっきー

ごめん!なんか説教くさくなっちゃった。でも、そら美ちゃんは勉強してるでしょ?大事なのはその一歩。

そら美ちゃん

うん、もっと勉強する!

まっきー

そうだね。長くなったので、今日はここまで!

そら美ちゃん

はーい!今日もありがとう!

まとめ

今回も少し長くなってしまいましたが、最後に今回勉強した内容をまとめます。

◆日本では「公共投資」は減らされ続けており、1997年頃に比べ約半分まで減少している。
◆「公共投資」を増やすには、国会の議決を経て「建国国債」を発行する必要がある。

◆日本は世界に比べても選挙の投票率が低く、国民の関心が低いことが伺える。
政治・経済に興味を持つ国民を1人でも多く増やすことこが日本の課題と言える。

5回に渡り、そら美ちゃんと経済を勉強して来ましたが、まだまだ伝えたい事が山ほどあります。

次回の内容については現在検討していますが、今現在日本を苦しめている「デフレ」について深堀しようと考えております。

もし良かったら、次回も読んでください!

では、最後まで読んで頂いて、ありがとうございました!

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