皆さんこんにちわ!まっきーです。
前回まで、5回に渡り日本経済の現状について学んできました。
◆これまで学んできたこと
・他国が順調にGDPを伸ばす中、日本ではGDPが1998年以降ほとんど増えていない。
・国の借金とは政府の負債。政府の負債を増やし続けているのは、日本に限った話ではない。
・日本政府はプライマリーバランス黒字化を目標に掲げているが、これは完全な誤りである。
・緊縮財政として消費税が導入されたが、日本で実施すべきは財政出動である。
・緊縮財政政策の一環として、「公共投資」がピーク時から半分近くまで減らされている事実。
今回は、その核心となる「デフレーション」について、そら美ちゃんと一緒に勉強をして行きたいと思います。
良かったら、ぜひお読みください!
そら美ちゃん!おはよう。今日も一緒勉強していこう!
おはよー!今日もよろしく!
今日まで5回に渡り経済を勉強してきたけど、感想はどう?
うん、やっぱり一番驚いたのは、世界的に見ても日本だけが経済成長が出来ていないっていう事実かなぁ。
なるほど。今の日本人は不況の原因を「仕方ない」とか思ってて、どこか諦めているように感じるんだよね。
たしかに私も「仕方ないのかな」って思ってたかも。
僕の昔の上司は、それを「日本の経済は曲がり角で、これ以上の成長は難しい」って表現してた。
いかにも新聞とかで書かれそうな言い方ね。
だから大事なのはグローバル化だ!みたいなね。でも、残念ながら全然違うんだよね。
やっぱりそうなの?
グローバル化は供給能力を増やすのでむしろインフレ対策。それに、例えば会社の社長が「この会社は曲がり角で、これ以上は成長しない!」って宣言したら、そんな会社怖くない?
怖いね、確かに。そんな会社辞めるかも・・・。それと一緒って事?
本質的には同じかな。会社の成長を諦めた経営者が、会社を成長させられるとは思えないからね。
なるほど、確かにそうだよね。
じゃあ、今日は日本の不況の原因である「デフレ」について勉強していこうと思う!
うん!よろしくー!
需要と供給のバランスが崩れた日本
これまでの勉強から、日本では24年ほど前から殆どGDPが増えていないって話をしたよね。
うん、そうだったね。
そうなると、なぜGDPが増えないのか?という疑問が沸くよね。
そうだね。で、その原因は緊縮財政を繰り返してきたことだと理解しているけど。
うん、正解だよ。で、その主犯格が「消費税の増税」である事も触れてきたね。
うん、そうだったね。
消費税についても詳しく説明したいけど、今日はそこではなく「デフレーション」について説明するよ。
でふれーしょん!言葉はよく聞くけど、あんまり意味を理解してないかも。
通常「デフレ」って言われる。そして、今の日本を苦しめているのがデフレ不況。
需要不足ってやつよね?
その通り。正確には「需要と供給のバランスが崩れ、需要が不足する状態」だね。
「需要と供給のバランス」ね!それも勉強したね。
「需要と供給のバランス」は、経済の発展にはとても重要なんだ。政府はこのバランスを保つ役割がある。
でも、そのバランスが崩れているからデフレなんでしょ?
その通りだね。しかも日本は24年もデフレ不況のまま。これだけ長い間、デフレで在り続けるのは極めて異常と言える。
どうして、日本では長い間ずっとデフレなの?
当然の疑問だね。そこをデフレとは何かを解説しながら紐解いていこう!
うん、そこを知りたい!
日本で起きていたインフレーション
まず、経緯から話すね。日本はずっとデフレだった訳じゃない。デフレ不況に陥ったのは1998年からだよ。
じゃあ、それまではどうだったの?
1992年頃までは、しばらくの間「インフレーション」だったよ。
いんふれーしょん!その言葉も聞いたことある。
インフレって言葉はわりと一般的に聞くよね。インフレはデフレの逆で、需要が増えて供給が不足する状態。
デフレは需要不足だけど、インフレは供給不足ってこと?
その通り。みんなが欲しいのに、お店側では商品が不足している状態だね。だから、会社は投資をして事業を拡大していく。
会社が投資をすると、どうなるの?
資金を調達(主に借金)して、事業の基盤を拡大していく。その過程でたくさんお金が使われるし、人も雇われる。さらに企業は業績を伸ばすから、社員の給料も増えていく。
なんかいい感じだね!
それを繰り返して、我が国は供給能力を増やし続けてきたんだ。供給能力が上がれば、よりたくさんのモノやサービスが作れるからね。
たくさんモノやサービスを販売しても売れたって事?
うん、供給不足だったからね。そして、それを解消しようと会社が投資を続けて来たから、GDPはどんどん増えていき、国民の所得も増えて行った。
そうなんだ。それで高度成長期って言われるんだね
うん。この頃の日本人は、自分たちが豊になっていくことを実感できるくらい、凄いスピードで成長していたと思う。
今の日本からは想像できないね。
でも、そうやって供給能力を増やし続けていくと、やがてその国はデフレ不況に陥るんだ。
そうなんだ・・・どうして?
単純に供給能力が需要を上回るから。需要が満たされると、当たり前だけど今度は需要が不足し始める。
需要が供給を上回ると、デフレーションになるんだったよね。
そうだね。だからこそ需要と供給のバランスが崩れたとき、政府が調整役としての役割を果たす必要があるんだ。
なるほど。そういえば日本がインフレーションだった時は、政府は何か対策したの?
うん、日本は1990年頃まではインフレだった。インフレはモノの価値が上がっていく現象なので、政府は1989年に緊縮財政である「消費税」を導入した。
でたな消費税!この時は導入されて問題なかったの?
その時日本はインフレだったから、ほとんど経済に影響はなかったね。
緊縮財政をしても大丈夫だったの?
もちろん。むしろ、このタイミングなら正しい政策だよ。消費税を導入して、過熱ぎみの経済を冷ます必要があったからね。
ふ~ん、そうなんだ。消費税や緊縮財政は常に悪者って訳じゃないのね。
まあ、消費税そのものにも問題はたくさんあるけど、今回はそこは置いておく。タイミングという意味では間違いではないね。
日本で起きた「バブル経済」とデフレーション
日本ってインフレだったって聞くけど、実際どんな状態だったの?
好景気だったから、皆の所得がどんどん増えていたよ。事実、1992年頃まで日本のGDPは増え続けていたんだ。
1970年から1990年頃までは、すごい勢いで増えてるね!
GDPが何倍にもなっている。この頃の日本は凄いスピードで経済成長していたんだ。
だからGDPは順調に増え続けてたんだね。でも、1992年頃から失速しているね。
この頃に「バブル経済」が発生し、それが弾けた。
バブル経済!それ、聞いた事ある。でも、意味はあまり分かってないかも。
バブル経済ね。これもきちんと説明するとすごい時間かかるから簡単に説明するね。
そうなんだ。じゃあ、簡単に言うと?
バブル経済とは「ある投機対象が実態以上の価格で取引される状態」を指す。日本で起きていたのは「不動産バブル」だよ。
不動産バブル?
「実態以上の価格」とは、つまり本来の価格よりも高値で売買される状態のこと。そして、皆がそれを「借金」してまで買い漁った。これがバブル経済の正体。
え?借金して買ってたの?どうして?
もちろん儲かるからだよ。買った価格より高くなると判断して、借金してまで購入するんだ。
なるほど、借金して買っても、それよりも高値で売れてしまうって事なんだね。
だから、ものすごい勢いで民間の「借金」が増え始めた。でも、永遠に不動産が売れ続けるなんてあり得ないでしょ?
つまり、需要と供給のバランスが崩れた?
だね。そして供給過多になった時、何が起きる?
えっと、需要より供給が上回るんだから、価格が下がるんじゃない?
その通り。一気に不動産価格が下落し始めた。そうなると、今度はみんな一斉に売ろうとする。現金化して、借金返済に充てようとしたんだ。
なんかヤバそう。
価格が一気に下落した結果、手元に「借金」が残る人が一気に増えた。そして、借金を抱えたら、みんなどうする?
そりゃあ、借金返済するんじゃない?
その通り。今度は借金を返済しようとする。お金を借りる行為はGDPが増えるけど、借金返済ではGDPは1円も増えない。
だから、GDPが1992年頃から増えなくなったって事ね。
つまり、バブル経済によって日本経済に大ブレーキがかかった訳だね。
じゃあ、日本がデフレになったのも、この時から?
いや、日本が完全にデフレになったのは1998年から。つまり、バブルが弾けてから、数年間のブランクがある。
そうなんだ。その間で何が起きていたの?
それを説明して、今回は終わりにしようか。
バブル崩壊後の日本政府の対応
実は、バブルが崩壊したあと、日本はデフレにならず、少しの間はGDPが増えていたんだ。
へえ、どうして?
政府が正しい経済政策を実施していたからね。
正しい経済政策・・・つまり財政出動?
うん。この頃、バブル不況によって一気に景気が悪くなるんだけど、その際に政府は財政出動を実施した。
具体的に、どんな事をしたの?
所得税を減税したんだ。もうずいぶん昔のことなので記憶が曖昧だけど、年末調整でかなり返還されたと思う。
へえ、そうなんだ!今すぐにやって欲しい政策ね!
その通りだよね。他にもあったかもしれないけど、一番効果的だったのは、この所得税の減税だろうね。
この所得税を減税したことで、日本のデフレ化は防げていたって事?
数字からそう読み取れる。1992年と1993年のGDPは、ともに505兆円と横ばいだったけど、1994年から再び増加し始め、1997年には543兆円まで増えているからね。
そっか、効果がなければGDPは増えないもんね。
だね。ところが、1998年にやってはいけない緊縮財政を開始してしまう。日本政府は消費税を5%に上げてしまった。
そこで消費税なのね・・・それで日本はどうなったの?
完全にデフレになったね。その結果、日本のGDPは536兆円に減少。1年で7兆円のマイナスとなり、以降殆ど増えなくなった。
そして現在に至る・・・という訳なのね。
この話の怖いところは、1992年から1997年の間で財政出動によりGDPを伸ばすことに成功しているのに、1998年以降は同じような政策をほとんど実施していないところ。
その原因が・・・もしかしてPB黒字化目標さん?
小泉内閣のとき、PB黒字化が目標とされた。そして、以降はGDPが減少。1998年には536兆円あったGDPが、2003年には523兆円まで減ってしまった。
つまり経済政策を間違えたって事だよね。
結果を見れば明らかだね。PB黒字化目標のために我々国民の所得が奪われ続けてきた、と考えて間違いない。
もう!本当にPB黒字化目標さんって嫌い!
経済は「需要と供給のバランス」が大事だからね。それを無視して政府の借金を減らそうとすれば、そりゃバランスが崩れる。
・・・ため息しか出ないね。
うん。で、そろそろデフレの話をしたいけど、すっかり長くなったので、それは次回に説明するね。
うん!分かったー!
まとめ
今回も少し長くなってしまいましたが、最後に今回勉強した内容をまとめます。
◆需要と供給のバランスが崩れたとき、政府はそれを是正する役割を持つ。
◆日本では1992年頃にバブル経済が弾け、需要と供給のバランスが崩れ始めた。
◆バブル崩壊後、1997年頃までは正しい財政出動を実施していたため、GDPは増えていた。
◆1998年に消費税が3%から5%に上がり、それ以降日本のGDPは増えなくなった。
今回から、デフレの話しをするつもりでしたが、すっかり前置きが長くなってしまったため、デフレについては次回以降に解説していきます!
もし良かったら、次回も読んでください!
では、最後まで読んで頂いて、ありがとうございました!