皆さんこんにちわ!まっきーです。
今回も「消費税」について取り上げていきます。
このブログでは何度か「消費税」について取り上げてきました。個人的には、日本の経済を破壊しているのが、この消費税だと思うからです。
しかし、普通に生活していると、消費税そのものについてなかなか深く考える機会が無いと思います。
なので、今回はそら美ちゃんと一緒に「消費税とは何なのか?」を改めて勉強しましょう!
消費税が生まれた理由
そら美ちゃん!おはよう。
まっきーさん、おはよー。
今日は「消費税」について改めて勉強するよ!
あれ、また消費税?前に何度も話しているよね。
うん、経済を知るうえで、とても大事なことだからね。まだまだ勉強すべきことがあるんだ。
そうなんだ。で、どんな話し?
今日は、まず消費税が生まれた理由から、その実態を改めて分析していくよ。
了解。消費税が生まれた理由って何なの?
もともとは「直間比率の是正」がメインの理由だったんだ。
直間比率の是正?
国や地方に収める直接税と間接税の割合が直接税に偏っていたため、それを是正するためだったんだ。
そうなんだ。私はてっきり「社会保障の財源確保のため」だと思ってた。
それは後付けされた理由だね。まあ、直間比率の是正も建前で、実際は「法人税を引き下げる」のが目的だったみたいだけどね。
へえ。昔は法人税って高かったの?
こんな感じで推移しているよ。以前は40%を越えていたけど、現在は23%程度まで下がっている。
随分下がったんだね。こんなに下げて大丈夫なの?
それに代わって導入されたのが消費税って事だね。
そっか。法人税を下げて、その代わりに消費税を導入したって訳ね。
そう。法人税は「直接税」。直接税である法人税を下げ、その代わりに「間接税」である消費税を導入した、という訳だね。
なるほど、消費税導入の背景って、そんな理由だったんだね。
「消費税」という名前は正しいのか?
そら美ちゃん、消費税って誰が納めている税金だと思う?
えっと、私たち消費者じゃないの?
いや、あくまで納税義務者は「事業者」なんだ。
じゃあ、消費者が支払ったお金を、代わりに事業者が納めているってこと?
それもちょっと違う。事業者は売った金額の一部分を消費税だったことにしなければならない、というのが消費税の仕組み。
てことは、別に消費者から預かったお金を、代わりに税務署に納めている訳じゃないってこと?
うん。あくまでも販売価格は事業者が設定する金額。それが売れて利益が出れば、そこから事業者が消費税を支払うイメージなんだ。だから預り金って訳でもないね。
えっと、じゃあ販売価格の一部として税金を支払っている、というのは間違い?うーん、いまいち理解できないかも。
あくまで販売価格は対価としての金額だからね。「預り金ではない」というのは、過去の裁判の判決でも出ているんだ。
◆判決「消費税は『預り金』ではない」ことが裁判で示された事例◆
この裁判は消費者グループが「消費税は事業者が消費者から預った税金なのだから、それを国に納めるのは事業者の義務」と訴えたもので、判決では「…消費税分は対価の一部としての性格しか有しないから、事業者が、当該消費税分につき過不足なく国庫に納付する義務を、消費者との関係で負うものではない」(東京地裁1990年3月26日、大阪地裁同年11月26日)と原告の主張が退けられ、判決は確定しました。
引用元:全国商工団体連合会ホームページより
ふーん。預り金じゃないんだ。じゃあ、消費者が払っているのは税金ではなく、あくまで商品やサービスの価格に対してなんだ。
うん。だから何って思うかもしれないけど、あくまでも消費税は事業者が負担する税金って事を分かって欲しい。
なるほど、りょうかい!
それと、事業者は「利益」以外に「人件費」に対しても消費税を支払っているんだ。
あれ、それ前にも聞いたやつ?
そうなんだ。消費税は事業者の利益だけでなく人件費にもかかる。これって一般の人は知らないかも知れない。
人件費って消費に関係ないよね。モノやサービスが売れたことに対する税金じゃないってこと?
実は「消費税」って言い方だとピンとこないんだ。だから普通外国では「付加価値税」と呼ばれている。
付加価値税?じゃあなんで消費税って言うんだろうね。
理由は分からない。でも「付加価値税」と呼んだ方が実態に合っている。利益も人件費も、どちらも「付加価値」と言えるからね。
消費ではなく付加価値に掛かる税金ってことね。
うん。例えば美容室なんかは商品ではなくサービスの対価としてお金を支払うよね?
うん、美容師さんのサービス(技術等)に対しての対価だもんね。
うん。サービスを提供するための人件費は付加価値を生むためのものだから消費税に含まれる、と言うことだね。
そうだとしたら、最初から付加価値税って言えばいいのにね。
「付加価値にかかる税金」という根本問題
以前勉強したGDPを覚えてる?
もちろん覚えてるよ!
GDP三面等価の原則も大丈夫?
え~っと・・・3つは全部言えないかも。
おっけー、復習しよう。「支出面のGDP」「生産面のGDP」「分配面のGDP」だね。
そうそう!その3つよね。なんか言葉が分かりにくくて覚えられないんだよね・・・。
確かに分かりにくいね。で、今回は「生産面のGDP」が関わってくるんだけど、どうしてか分かる?
分かるよ!生産面のGDPって、つまり付加価値って事よね?
そうなんだ。生産面のGDPとは付加価値の総和を指すからね。
最初から付加価値面のGDPって言えばいいのにね。まあ、分配面のGDPも「所得面のGDP」でいいと思うけど。
確かにそうだね。で、そら美ちゃん。消費税は付加価値に掛かる税って事なんだけど、それってどう思う?
えっと、付加価値を生み出したことに対する税金って事よね・・・あ、それだとGDPを増やすことに対してかかる税って事になるよね?
しかも税の役割である「景気の安定化」「格差の是正」「政策的目的」「国内通貨の固定」どれにも当てはまらない。むしろ経済成長の妨げになっている。
付加価値が生み出されてGDPが増えることって、とても良いことよね?なんでそれに税金をかけるの?
その通りだね。GDPを増やす行為に課税するのは、確実に経済成長の妨げになる。
今の日本のようにデフレ不況下では特に大問題だよね。
しかも消費税は赤字の事業者でも納税義務がある。だから事業者にとってはとても酷な税制なんだ。
赤字なら払わなくていい法人税と違って、消費税は過酷なんだね…。
「人件費にかかる税金」という大きな問題
最後に「人件費にかかる税金」という部分について、もう少し詳しく解説するね。
うん。そこが一番よく分からない。
さっき説明したように、消費税は付加価値にかかる税金。だから人件費にも課税される、という建前なんだ。
まあ、考え方としては分からなくはないね。
じゃあ実際にどのように課税され、企業が納税しているか見て行こう。以下は日本のサラリーマン中央値(平均)の金額。
・賃金:月26万円(100%)
・所得税/住民税 :月2万円(7.7%)
・社会保険料 :月4万円(15.4%)
・手取り :月20万円(76.9%)
税金と社会保険料で月6万(23.1%)も天引きされるんだね。どおりで給料が少ないわけね…。
だね。で、事業者負担はどうなるかと言うと、こんな感じ。
①給料支払として:26万円 + 社会保険料として:4万円 = 30万円
②上記の30万円 + 消費税(10%) = 3万円 合計33万円の支払い
社会保険料って事業者も支払うんだね。
給与所得者と折半だからね。この通り、事業者は33万円を支払うことになるけど、このうち7万は社会保険料と消費税。そして給与所得者の手元にはたったの20万円しか残らない。
これがサラリーマンの平均値?景気が悪い理由がわかるね…。税金もそうだけど、社会保険料がちょっと高すぎじゃない?
まあ、そこは今回の本質ではないけど、確かに社会保険料の負担が大きすぎると僕も思う。
しかも、社会保険料って賞与(ボーナス)からも引かれるよね?いくら何でも取り過ぎだと思うんだけど…。
景気が良いのならまだわかるけど、日本はずっとデフレ不況。これだけ高負担では、景気が良くなるわけないよね。
ホントだね・・・。
ただ、今回はそこじゃなくて事業者が給与とは別に社会保険料と消費税を支払う、というポイントを見て欲しい。
これって前に勉強したやつでしょ?たしか社員(正規雇用者)は消費税を支払うのに、非正規雇用者は支払の必要がないって言ってたよね?
そうなんだ。しかも社会保険料の支払いも無くなる。この構造だと、事業者が節税のために非正規雇用者や委託業者を選択する可能性がかなり高くなる。
だから非正規雇用者の増加に繋がり、日本の雇用が不安定になるってことよね。
そう。そうなれば所得も減るでしょ?その結果として日本人の平均年収はさらに下がることになる。
酷いね…誰がこんな仕組みを考えたの?悪意しか感じない…。
それは分からないけど、いずれにしても日本経済や国民のことを考えた仕組みではない、という事は確かだね。
何だか腹が立つけど、それ以上に悲しくなってきた…。
人間は間違えるし利己的な生き物。だから、我々国民がきちんと状況を注視し、間違いには「No」を突き付ける事が大事だね、いつも言っているけど。
その為には勉強するしかないんだったね。
その通り!知らなければ考える事すらできない。落ち込んでしまうのも分かるけど、下を向かず前を向いて頑張ろう!
それ、このあいだ私がまっきーさんに言った言葉じゃん。
あれ、そうだった?ま、これからも経済を一緒に勉強しよう!いつでも教えるからね。
わかった、頑張る~!
まとめ
さて、今回の内容は理解できましたでしょうか?
記事を書くにあたり、実は参考にさせて頂いた動画がこちらの動画になります。
認会計士/税理士である「森井じゅん」さんが、本動画内で消費税の問題について分かり易く解説しております。もし気になる方は、上記の動画をご覧になってください。
いくつもの構造的な問題をはらんでいるのが「消費税」だと考えます。
日本の景気を悪くした張本人でもあると同時に、日本の雇用を不安定化させているのも消費税です。しかも、付加価値にかかる税ですから、GDPが増えることを抑止する税という側面もあります。
念のため、今回勉強した「消費税」のポイントをまとめておきます。
①建前は消費者が負担しているイメージだが、実際は事業者の付加価値にかかる税である。
②立場が弱い事業者への過重な負担となっている。
③人件費割合が高い会社ほど納税に苦しむ仕組みになっている。
④「社会保障のため」は後付けの理由に過ぎない
⑤雇用を破壊し、生産能力や国力を低下させる
一体、消費税は何のために存在するのでしょうかね?日本人を苦しめ続けている消費税に、どんな価値があるのでしょうか。
日本人は、長きにわたり消費税に苦しめられてきました。もういい加減「目覚めませんか?」
以上、消費税についてでした!