こんにちわ!まっきーです。
サラリーマンをやっていれば、一度は聞くであろう「ブラック企業」という言葉。
皆さんは「ブラック企業」と聞いて、何を思い浮かべますか?
今回は、実際過去に私が働いていた「ある飲食店での店長経験」をベースに、ブラック企業とはなにか?というテーマで、そら美ちゃんと、ゆるく経済を絡めて会話をしました!
もしよかったら、最後までお読みください!
そら美ちゃん、おはよう。
まっきーさん、おはよう!今日も眠そうだけど、やっぱり早起きしてるの?
うん。平日は毎朝4時前に起きるんだけど、今日は全然やる気が起きなくて、経済系のYoutube動画を観るだけで終わってしまったんだ。
そうなんだ。いつもは記事を書いているって言ってたもんね。
うん。朝って脳がまだ疲れてないから、アウトプット作業に向いている気がするんだよね。だから、それに充てる事が多いね。
私には絶対無理だな・・・しかも、そのあと仕事だもんね。
うん。でも数年前に働いていた職場よりはずっとマシかな。なんせ、今は自分の時間がある程度は取れるからね。
以前は自分の時間が取れてなかったの?
うん。今から7年くらい前に、飲食店で社員として働いていたんだけど、その時は自分の時間なんてほとんどなかったかな。
飲食店?確かに労働環境が悪そうなイメージがあるね。
ワタミグループの会長である渡邉美樹氏が放った「365日24時間死ぬまで働け」が有名だよね。
社員を鼓舞したくて言ったのかもしれないけど、そこだけ聞くと酷い言葉だね。
一種の洗脳なのかもね。今日はせっかくだから、僕の経験をベースに「ブラック企業」という話題ついて緩く話していこうか。
ブラック企業ね!なんか面白そう!
面白がるネタじゃないと思うけどね…。
僕が経験した「ブラック企業」の実態例
そら美ちゃんは、ブラック企業と聞いたら何を思い浮かべる?
やっぱり「過度な残業」「過労死」「パワハラ」とか?
そうだね。Wikipediaでは「新興産業において若者を大量に採用し、過重労働・違法労働・パワハラによって使いつぶし、次々と離職に追い込む成長大企業」とある。
うん、ほぼイメージ通りだね。
「新興産業」ってのが面白いね。
しんこうさんぎょう?
新規参入で競合の少ない産業って事かな。同業他社も少ないから、頑張れば利益が出やすいんだろうね。
新興産業だと、ブラックになりやすいのかな?
かも知れない。働けばその分利益になるから、みんな必死で働く。だから労働時間も長くなる傾向があるんじゃないかな。
でも、ブラックと言えばやっぱり外食産業(飲食産業)ってイメージがあるな。
そうだね。僕も飲食店で働いていたけど、いま考えるとかなりブラックに近い労働環境だったと思うね。
やっぱりそうなんだ!どんな感じだったの?
そうだね。せっかくだから公開しようか。勤務状況をざっとまとめてみると、こんな感じだったよ。
【某飲食店の労働環境(店長)】
①毎日の労働時間:(平日)9:30~21:30(休憩1h)、(土日祝)9:30~22:30(休憩1h)
②休暇:月6回。その他の休暇は年末年始5日と夏季休暇3日のみ。
⇒年間休日数(6×12 = 72 + 8 = 80日間)
③年収:490万円。
年間休日が「80日間」ってっかなり少ない気がするね。
普通は120日くらいだよね。さらに月の労働時間も見て行こう。
◆月の労働時間(出勤日数22日として換算):
平日:11時間× 16日=176時間 + 休日:12時間×10=120時間 = 合計で296時間
え?勤務時間が296時間って、ちょっと多すぎない?
うん。残業もあるし、忙しくて休憩を1時間取れないこともあるので、実際には300時間は毎月軽く越えてたね。
300時間!?やっぱりブラックじゃん!
ちなみに過労死ラインってのがあって「発症前1ヵ月間におおむね100時間」あるいは「発症前2~6ヵ月間にわたっておおむね80時間」を超える時間外労働がある場合は、業務と発症との関係性が強いとされているらしい。
余裕で過労死ライン越えてるね。
この環境の中で3年間ほど働いていたから、僕は何度も過労死していることになるね。
・・・辛くなかったの?
いや、実際かなり毎日疲れていたよ。家に帰っても自分の時間は殆どないから、寝る前のYouTubeが唯一癒しの時間だったね。
やっぱりブラックだー!
明らかに過重労働だよね。しかも、固定給だから残業代は一切出ない。300時間以上働いても、僕の給料は1円も増えなかった。
普通なら120時間分の残業だよね。かなりの額じゃない?
そうだね。本来なら残業代だけで20万円~25万円は行くね。
そもそも固定給って何なの?
あらかじめ残業手当などの諸手当が上乗せされている給料制だね。「みなし残業」という名目で残業代も加味されている。
でも、100時間分ではないんでしょ?
もちろん。せいぜい30~40時間分くらいじゃないかな。
全然足りてないじゃん!って事は、80時間分はサービス残業?
そうなるね。固定給制度は過労死の温床になると僕は思う。いくら働いても支払う給料が変わらないなら、オーナーから見ればたくさん働かせた方が得だからね。
ぜったい搾取されてる~!
サラリーマンなんて、そもそも搾取されてるよ。どう考えても今のサラリーマンの給料は安すぎだもん。
前に言ってた「平均年収」ってやつ?
うん。日本人の平均年収は2021年の実績で436万円。残業代込みと考えるとかなり低いよね。
まっきーさんは、一応それよりは多く貰ってたんだね。
僕の年収は490万円。残業代を足せば年収680万円に相当する労働力を、僕は提供していたことになるね。
要するに、190万円分の給料を搾取されてたってこと?
うん、そうとも言える。まあ、飲食業界では長時間労働が多いから、こんな事は日常茶飯事なのかも知れないね。
本来なら受け取れるはずの190万円は、どこに行ったの?
人件費を圧縮した分、経費削減になるから利益向上につながる。僕のお店のオーナーさんは、ベンツを何台も所有してて、とても大きくて立派な家に住んでたよ。
え?!なにそれ!ムカついたりしなかったの?
僕の場合、元々オーナーと知り合いだったんだ。正直そんな感覚はなかった。でも、その分を少しでもいいので給料に還元して欲しかったな、とは思うよね。
うん、そうだよね。
増え続ける企業の「内部留保」のはなし
さっきも話したけど、ある意味ではサラリーマンなんて、みんな等しくある程度は搾取されているんじゃないかな?
やっぱり、みんな搾取されてるの?
うん。それは平均年収436万円という金額に現れている。本来、企業は儲かれば社員へ還元すべきだよね?でも、実際はそうなってない。
じゃあ、利益はどこに行くの?
本来なら新しいビジネスや拡大への投資に向かうのが正しい資本主義経済だけど、今はデフレだから内部留保になる事が多い。
ないぶりゅうほ?
内部留保は一般人の貯金や貯蓄にあたる。要するに何にも使われずに蓄えられた企業のお金。これは年々増え続けているんだ。
ホントだ!人件費はほとんど増えてないのに、内部留保はどんどん増え続けてるね。
内部留保(利益余剰金)が増えても、残念ながら1円も日本のGDPは増えないからね。これはかなり問題なんだ。
どうして利益を人件費に回さないの?
投資をしても儲からず景気が良くなる気配もない。不安だから社員へ分配せず一旦留保しておく、って判断なんじゃない?
なんかそれって一般人が先行き不安だから貯蓄に回すのと同じ感覚だね。
だろうね。くどいようだけど日本はデフレ不況だからね。利益を上げにくい環境では企業は積極的に投資をしないし、人々はモノやサービスを積極的に買わない。
それ、前に聞いた「買い手市場」も影響している?デフレって求人に対して働きたい人が余っている状態だったよね。
よく覚えてたね。そう、デフレ不況では買い手市場、つまり企業側が有利になるから、社員の給料は上がりにくいんだ。
あれ?という事は、デフレ不況のときはブラック企業も有利になるってこと?
うん。恐らくそうなるね。デフレ不況下では、給料が安かったり会社に不満があっても、なかなか転職しにくいからね。
じゃあ、ブラック企業にとってデフレ不況はありがたい状況?
いや、必ずしもそうとは思えない。企業とは利益が上がるのが一番良い状態のはず。決してデフレを歓迎しているとは思えない。
そっか。でも、デフレだとブラック企業が有利になるってのは間違いないよね?
ブラック企業の温床にはなるだろうね。でも、そういう企業は景気が良くなって「売り手市場」になれば、社員に見放されるだろうね。
景気が良くなれば、酷いブラック企業は自然と淘汰されるって事ね。
景気回復が一番効果的だね。そして、その過ちを今のうちに是非気づいて欲しいね。
過ち?人件費を安く抑えること?
うん。僕の働いていたお店のオーナーも、始めから社員をこき使って自分達だけ儲けてやる!とは明確に考えてないと思うんだ。
意図的ではなかったってこと?
そういう人も居るとは思うけどね。でも殆どのケースは売上が上がらないから経費を下げざるを得ない、つまり給料を低く抑える必要があった、と思うんだ。そして内部留保する。
結局、根本原因はデフレ不況って事だよね。
まあね。ただ景気とは別にしても、外食産業(飲食店)の労働環境が悪いのは確かだと思うよ。普通のサラリーマンに比べても劣悪だと思う。
どうして、外食産業ではそうなってしまうの?
他の業界に比べて利益を上げにくい構造だからかもしれない。外食産業は、3割原価、3割人件費、1~2割が固定費と言われているんだ。
じゃあ、残り1~2割が純粋な利益ってこと?
いや、実際の「営業利益率」は、ほとんどの飲食店で5%程度、株式上場している飲食企業でも8%程度と言われている。ちなみに営業利益率の計算式は以下の通り。
営業利益=「売上高-コスト」
営業利益率=「営業利益÷売上高×100」
じゃあ、売上が1000万円でも、営業利益は50万~80万くらいってこと?
うん。これは他の業界よりもかなり低い数字だと思う。だから、人件費を下げて利益率を上げようとするんじゃないかな。
なるほどね。
あと、外食産業は慢性的な人手不足と言われているから、その分の負担が社員に降りかかってくるんだろうね。
だから、安月給なのに過重労働になってしまうのね。
ただ、色々と工夫して食材原価を下げたり、投資をして従業員の負担を減らす努力をしている飲食店もあると思うよ。
そんな努力もしているお店もあるのね。自粛ばかりせず、しっかり飲食店を利用してあげなきゃって思っちゃうね。
うん。日本がデフレ不況から脱却して経済成長すれば、確実に飲食店も盛り上がる。だから、一刻も早い経済回復が待たれるね。
そうだね!あまり我慢し過ぎないで、もっとソフトクリーム食べまくろうっと!
うん、但しほどほどにね。
まとめ
以上が、僕が経験した「とある飲食店」における店長としての勤務実例でした。
飲食業界ではトータルで4年ほど働いていましたが、大手チェーン店ほど投資をして生産性を高めている傾向があるな、と感じました。
例えば、最近増えているタブレット端末での注文方式などが代表例です。
飲食店では、お客様を席へご案内⇒水を提供⇒オーダーを聞く⇒オーダーを通す⇒キッチンが調理⇒料理を運ぶ⇒会計、という一連の流れが生じます。
お客様との接点が薄くなるなと感じる一方、オーダーを取る手間が省けるのは、忙しいお店では非常にありがたいと思います。
生産性を高めて従業員の負担を減らせば、店舗で恐らく1名~2名ほどしかいな社員の負担も減ると思います。
そういう投資をして社員の負担を減らす努力をしている飲食店こそ、応援したいなと個人的には思います。
今回はすこし経済とは違いましたが、皆さんの何かの参考になれば幸いです。
以上、ブラック企業についてでした~!
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!