皆さんこんにちわ!まっきーです。
前回は、そら美ちゃんと一緒に「日本のGDPの現状」について学びました。
今回は、日本経済復活のカギとなる「国(政府)の借金問題」そして日本が取るべき経済政策について、そら美ちゃんと一緒に学んで行きましょう!
◆今回の主なテーマ
・国の借金問題とは何か?
・プライマリーバランス黒字化で、財務省は何を目標にしているのか?
・日本が目指すべき経済政策とは?
国の借金問題とは?

そら美ちゃん!前回は、日本のGDPの現状や、国の借金問題について学んだけど、その辺りは大丈夫?

うん!「国の借金」が増えているのは日本だけじゃないのに、日本のGDPだけが全く伸びていないってのは理解した!

そうだね、大事なのはそこ。でも、日本では「国の借金が多すぎて、このままではやがて財政破綻する」って声を聴くよね。

そうなのよね。でも、アメリカだって国の借金が日本以上に増えていたよね?

そうだね。もし、国の借金が増えたことが問題なら、日本と同じ様にアメリカでも問題になっているはずだね。

でも、そうはなってない。びっくりする位、GDPめっちゃ増えてたもん。

ちょっと整理しようか。「世界経済のネタ帳」さんの数字を拝借して、日本とアメリカのGDPと政府の負債額(国の借金)を比較すると、こんな感じ。
国 | 2001年のGDP | 2001年の負債額 | 2021年現在のGDP | 2021年現在の負債額 |
アメリカ | 1058兆円 | 562兆円 | 2293兆円 | 3057兆円 |
日本 | 536兆円 | 771兆円 | 537兆円 | 1421兆円 |

うん。こうして比べると、アメリはGDPと負債額がどちらも大きく増えているよね。

そうだね。アメリカはGDPが倍近くに増えているのと同時に、負債額も5倍以上に増えている。

一方で日本はGDPが増えていないのに、負債額だけが2倍に膨らんでるね。どうしてこんなに差が出るの?

そう思うよね。そこを紐解いていくことが大事だね。

アメリカは20年前に比べて6倍くらい負債が増えているもん。日本より危険な状況なんじゃないの?

でも、アメリカはGDPが2000兆円以上あるから、GDP比で考えれば負債額はGDPの1.3倍程度。一方で日本は2.5倍だね。

だから大丈夫ってこと?

いや、そういう訳でもない。GDPに対して何倍になったら危険とか、そういう明確な判断基準はないんだ。

じゃあ、一体何が問題なの?

ここからは私の考えが含まれるよ。見方の一例として聞いてね。そして、ここからが日本の不景気の核心になるよ。

むむむ、りょ、了解!
日本の財務省が掲げる「プライマリーバランス黒字化」を紐解く

まず、日本では財務省が「プライマリーバランス黒字化」という目標を掲げている。

なんだか小難しい言葉が出てきたね・・・。ニュースで見た事がある気がする。

「基礎的財政収支」とか言ったりもする。そして、これが何を目標にしているかが問題なんだ。

きそてきざいせいしゅうし・・・難しくてわかんなーい!

まあ、言葉の定義は一旦置いておこう。問題なのは、これが何を目標としているか?だね。

何事も目標を持つことは大事よね!

だね。なので、このプライマリーバランス黒字化目標(以下、PB黒字化目標)で、財務省が何を達成しようとしているかを理解する必要があるね。

まあ、そもそも目標が間違えてたら、話しになんないもんね。

だね。PB黒字化目標とは「政府の支出を減らし、税金等を増やす(収入を増やす)ことで国の借金を減らす」事が目標なんだ。

ふ~ん。別に間違っているように思えないけど、何か問題なの?

「借金を減らす」という方向性は間違ってはいないね。ただ、タイミングに問題がある。

タイミング?

うん、タイミングが悪い。なぜなら「政府の支出を減らす」のも「税金を増やす」のも、いわゆる緊縮財政だからね。

また難しい言葉が出てきたなぁ・・・。きんしゅくざいせいって言うのが何なの?

PB黒字化目標を達成するために、政府は「緊縮財政」を実施している。緊縮財政とは、簡単に言えば国民への所得の分配を減らす政策のことだよ。

何だか難しい言い方しているけど、要するに「私たちの所得が減る政策」ってことで認識であってる?

うん、あってるよ。増税が一番分かり易いかな。社会保険料のアップなんかも同じ。

増税ね。でも、増税の目的は「これ以上借金を増やさないため」でしょ?借金が膨らんでるのだから仕方ないんじゃないの?

表向きはそうだね。でもさ、そら美ちゃんはお給料が増えない中で、いきなり増税されたらどうする?

えぇ、給料増えないのなら、大好きなソフトクリーム食べる回数を少し減らすかなぁ。

ソフトクリーム美味しいよね。まあ、要するに支出を減らすって事でしょ?所得が増えないなら当たり前だよね。

うん、辛いけどダイエットのつもりで我慢するよ。

考えて欲しいんだけど、GDPが増えない中で緊縮財政が行われてしまうと、ますます国民は貧困化してしまうと思わない?

確かに・・・でも日本は不景気だから仕方ないんじゃないの?

うん、そうやって我々国民はさんざん我慢してきた。でも、それが間違いだとしたら?

間違いって、何が?

考えてみて。日本は24年もの間、ほとんどGDPが増えていないんだよ?それって実施してきた経済政策が正しくないからじゃない?

確かに、先日見たグラフの中で、GDPが全く増えてないのは日本だけだったもんね。成功しているとは言えないよね・・・。

デフレ不況のとき、我々の所得は減るんだ。そんな中で、さらに国民の所得を減らす増税が行われたら、経済はどうなる?

所得が減るから、もっとお金が使われなくなる?

間違いなくそうなるね。すると日本のGDPは増える?それとも減る?

えっと、支出面のGDPだっけ。皆が支払う金額が減るわけだから、GDPは減るんじゃない?

正解。そしてGDPが減れば国民の所得も減るし、同時に政府の収入も減る。でも、それでは本来の目的である「政府の借金を減らす」が達成できないよね?

GDPが増えない中で、増税することは間違いって事?う~ん、難しくて頭痛くなってきた・・・。

ちょっと難しいかな?じゃあ、ひと呼吸おいて、まずは前提条件を決めてから、もう一度考えて行こう。

うん?まあ、分かってないけど、とりあえず分かった。
日本が目指すべきは「経済成長」である理由

まず前提条件を決めるね。国が経済成長しているか否かを判断するには「GDPが増えているか否かを判断する」と定義するね。

「GDPが増える=国民の所得が増える」だったよね、それは理解できる!

オッケー!では、日本のGDP推移を見た場合「殆ど増えていない=経済成長していない」と言える。

うん、それも異論なしね!

となると、日本の場合「GDPを如何にして増やしていくか?」が最優先の課題になるよね。

GDPが増えれば私たちの所得が上がるもんね!うん、ここまでは大丈夫!

日本の目標が見えてきたんじゃない?それはつまり「経済成長すること=GDPを増やすこと」で間違いない。

そうだよね!そうなれば私の所得も増えて、もっとたくさんソフトクリームが食べられるんだから!早くGDP増やして!

食べ過ぎて太らないようにね・・・。まあ、これで日本が最優先でクリアすべき課題が見えてきたんじゃない?

あ!そっか。緊縮財政って私たちの所得を減らす政策だったよね?GDPが増えてないのに緊縮財政を実施したら、私たちの所得はますます減ってしまうって事か!

その通りだね。さっき「タイミングが間違えている」と言ったのは、まさにその事。順番と言ってもいい。

順番ね。じゃあ、そういう時は一体どうしたらいいの?

まずは先に現状から把握しよう。GDPが増えなければ我々の所得は増えない。所得が増えなければモノやサービスは売れない。

そうだね。で、モノやサービスが売れなくなると、何か問題なの?

大問題だね。日本は1998年以降はずっと「デフレ不況」だからね。デフレ不況下では、なかなかモノやサービスが売れないんだ。

でふれ?でふれだと、どーして売れないの?

デフレとは生産能力に対して需要が不足する経済現象なんだ。例えるなら、ソフトクリームが100個作れる量を準備してるのに、90本しか売れない状態だね。

えーもったいない!どうしてそうなるの?

それしか需要がないから、だね。お金がなければ、そら美ちゃんもソフトクリームを食べるの我慢するでしょ?

さすがに借金してまでソフトクリーム食べないね。

そうだよね。普通は所得が減れば国民は消費を減らす。つまり需要が減るという事に繋がる。

そっか!日本はずっとGDGが増えてないから、国民の所得は増えていない。そんな中で増税すれば、ますます需要が減ってしまうって事ね!

その通り!そして日本政府は緊縮財政ばかりを優先して実施してきたんだ。

だから国民の所得が減って消費が減る=GDPが増えないって事が続いているんだね!

その通り。日本のGDPが増えない原因はここにある。だから、今の日本に本当に必要なのは財政出動になる。

ざいせいしゅつどー?もう、頭から煙が出そう・・・。

ごめんごめん。長くなってきたから、一旦まとめるね。

うん、もう限界かも・・・。

日本経済が真っ先に是正すべきは「デフレ不況(需要不足)」なんだ。そして、デフレ不況を脱却するには「経済成長」が不可欠なんだ。

つまり「GDPを増やす政策」って事よね?

そう。しかし、日本で主に実施されているのは「緊縮財政」。つまり、国民の所得を減らす政策ばかりだ。

だから国民の所得は減り続け、結果として日本のGDPが全然増えなくなった!

その通り!頭から煙が出ている割には冴えてるね!

うん、なんかめちゃめちゃ賢くなった気分♪

それは良かった。では、次回は「日本が実施すべき経済政策」という観点から経済を見て行こう!

うん!よろしく~!
まとめ
さて、今回はいかがでしたでしょうか?
かなり経済の突っ込んだ内容になってきたので、少し難しかった部分もあるかもしれません。
今回学んだポイントを以下に記載します!
◆日本のGDPは24年前から全く増えてない(=経済成長していない)。
◆先進国の中で政府の負債額(国の借金)が増えているのは日本に限ったことではない。
◆日本ではデフレ不況(需要不足)であるにも関わらず、需要を減らす「緊縮財政」が延々と実施され続け、それによりGDPがまったく増えなくなった。
◆日本に本当に必要な財政政策とは、GDPを増やす(経済成長する)政策である。
事実(ファクト)を整理して行くと「なぜ日本だけが延々と不景気なのか?」と言う疑問に対する答えが、今回は少しずつ見えてきたのではないでしょうか?
今回のポイントはデフレ下における「緊縮財政」が誤った政策であることを理解する事です。
20数年間に渡り日本のGDPがほとんど増えてない事実からも、これまでの経済政策が正しくなかったことを証明していると思いませんか?
日本が経済成長するには「財政出動」が必要です。
次回は、デフレ下の日本で実施すべき政策が「財政出動」である点について、そら美ちゃんと勉強していきます!
では、最後まで読んで頂いて、ありがとうございました!